【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第8章 赤葦と飲みに行く話
「でしょ?とりあえず、もう少ししたら
普通の恋人同士みたいにきっとなんか揉めるでしょ。
そのタイミングで別れよっかな」
「宮さんに角名さんのこと絶対にバレないようにね」
「そこは今まで通り細心の注意を払うよ。
てか赤葦は相変わらず不倫中?」
「前に会った時と、特に何も変わってないよ」
で、も俺の秘密を知っている。
というか、しか知らない。
世間には話せないことを行なっている者同士?
なかなか気は合う。
というか、なかなか理解してもらえないことを
たぶん理解し合えている。
「彼女、まだ別れないの?」
「ん~?たぶん一生別れる気ないんじゃない?
別れる前に俺が捨てられると思うよ」
そう言いながらビールを流し込む。
別に、この関係が始まった時から
その結末の覚悟はしていた。
だけど、口に出すのはまだしんどい。
「え、なんで?
彼女別れてくれるかもって、前に言ってたじゃん」
「あの時はそう思ってたけど
たぶんその場で言ってるだけだな~って。
でも、もうそれでもいいと思ってるよ」
「よくなくない?赤葦が傷ついちゃうじゃん」
「にだけは言われたくないけど」
「や、私は治くんにフラれる予定だし」
「宮兄弟のケンカ凄かったらしいし
宮さん怒らせたらそうなるかもね」
「とりあえず私はその時を待つよ」
「まぁ、なんかあれば相談には乗るよ。
相談にしか乗らないけど」
それから2時間くらい飲んで、駅でと別れて。
【お疲れさまです。今から帰ります。】
彼女に連絡する。
返事が返ってきたのは翌朝
たぶん旦那さんの出勤後
【おはよ。早く会いたいな。】
何時間後に返されても
悪気なんて何一つない返信
ただ、彼女がそう言ってくれる間は
彼女の言葉を、そのまま受け止めようと思う。
(2021.6.11)