【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第4章 治とバレーを見に行く話
そのあと少し3人で話して
「じゃ、俺ら帰るわ」
「明日ちょっと店行くわ」
「時間わかったらちゃんと連絡せえよ」
「おん。じゃあちゃん、今日はありがとう!
またゆっくり会おな~!」
「はい。こちらこそありがとうございました。
お疲れ様でした」
じゃっ!て言う侑くんと別れて
ほとんど人がいなくなったホールを抜けて会場を出る。
「時間まだ大丈夫?
よかったら飯食って行かへん?」
「うん。いいよ。どこ行こっか?」
「えーっとな。行きたいとこあるんやけど」
ちょっと待ってなって言いながら
スマホを触る治くん。
「………ここなんやけど」
「あ、美味しそう。行ってみよっか?」
「おん!ここもずっと行ってみたかって!」
治くんの笑顔は可愛いな。
治くんも表情豊っていう感じではないけど
倫太郎はそれ以上に表情が動かないから。
「なぁ、手。繋いでもええ?」
「うん?」
「や、さっき繋いでしもーたけど。なんか」
口元をおさえながら顔を背ける治くんの顔は
少し赤くて。
「ええ?」
「いいよ」
「なんか、改めて聞くとめっちゃ恥ずかしい」
「治くんって、なんか意外」
「なにが?」
「いや、すごいモテそうなのに。
手繋ぐのに恥ずかしがってるから」
「………こんなん初めてやし」
なにが?って聞いてみたい気持ちもあったけど
ポケットで長く震えるスマホに気付いて、
やめた。
(2021.6.7)