【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第4章 治とバレーを見に行く話
「じゃ、俺行くから。
治、またね」
治くんには「またね」って言ったのに、
私にはなにも言わない。
そしてまたねって言う時
倫太郎の視線は、
私たちの今日初めて繋がれている手に。
あーーーーあぁ
私はまたね、じゃなくて
"また後で" になるんだろうなぁ。
「お疲れさま~」
そう言いながら、とりあえずまた手を振ったけど
無視。
「角名ほんまに久しぶりやわ!」
「そうなんだ」
「ほんま、今度一緒に食べに来てな!」
「うん」
笑顔で答える。
行きたく、ないなぁ。
だけど倫太郎は、引っ張ってでも私を連れていくんだろう。
…………はぁ
「あ、ツム。お疲れさん!」
今度は前から治くんと同じ顔の人
「お~!ちゃん!」
「はじめまして。お疲れ様です」
「今日見に来てくれてありがとう!」
「いえいえ。あ、おめでとうございます」
「ありがとう!今日めっちゃ調子良かったわ!
相手角名やったし!角名会った?」
侑くんが治くんに話しかけるのを近くで見ると
ますます似てるな~
でもやっぱり少し違うな~
なんて、そんなことを考える。
「さっき会ったで!
てかちゃんと角名、幼なじみなんやって!」
「え?!そうなん?!」
「実は。
ただ治くんたちと倫太郎が友達ってことは
今日知ったんですけど」
「えー!そうなん?!世の中狭いな?!」
「な!びっくりしたし!」
「ねぇ?」
とりあえず、はははーって笑っとく。
ほんとだよ。
ここは東京ですよ?
誰の地元でもないのに、
なんでここで?
「ちゃん、今度一緒に飲みに行こう!」
「今度ってまだまだシーズン続くやん」
「終わってから!
そん時もサムと付き合ってたら飲みに行こうな!」
"その時も付き合ってたら"
って。
笑えないけど笑うしかないから
笑顔ではいって返事する。