【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第4章 治とバレーを見に行く話
倫太郎のバレーを見に行くことはあっても
バックヤードになんて入ったことはなかった。
すれ違う人に会釈しながら
手は、引かれたまま
治くんの後ろで細い廊下を進む。
「おっ!」
「治じゃん。久しぶり」
よく知っている声
「今日惜しかったなー!」
「でも侑の応援でしょ?」
治くんの後ろにいるからか
倫太郎はたぶんまだ私には気付いていない。
「まぁな!てか驚ろいたで!」
「なにが?」
あ、
たぶん私の話題だ。
「どうも~」
「え?」
治くんの後ろから顔を出した私に、すごく驚いてる。
やっぱり
見て、ないか。
「今、ちゃんと付き合っとんねん!
そしたら角名と幼なじみなんやてな?
今日聞いてびっくりしたわ~!」
「久しぶり~」
とりあえず空いている方の手を
ひらひらと振ってみる。
「………久しぶり」
5日ぶりだけど
私たちにしては
"久しぶり"
倫太郎の表情は特に変わらない。
だけど
やっぱり怒ってる。
声が、少しだけ
低い。
「こっちに来てだいぶ落ち着いてきたし、
今度一緒に飯食いに行こ!」
「うん。でもその前に治のお店に行くよ。
なかなか行けなくてごめんね」
「おん!来てきて!」
「、一緒に行こう?」
にこりと笑う倫太郎
「………あ、うん」
怖すぎ。