第4章 治とバレーを見に行く話

「試合おもしろかったね！」



「な！久しぶりに見たけど

めちゃくちゃいい試合やったな！」



「治くんもバレーしてたんでしょ？」



「おん。けど、今の仕事したかったから

俺は高校までな」



「そっかー」





バレーしたい？って聞こうとしたけど


なんとなくやめた。





「行こか」





人の流れに乗って会場を出ようとしてたけど





「あ、ツムに会いに行ってもええ？」



「ん？」



「いや、ツムにちゃん紹介したいなって思ったんやけど」



「あぁ」



「拠点大阪やからなかなか機会もないし。

裏入れるから」





……………。





「あ、ごめん。

その前に一件だけメッセージ返してもいい？」



「おん。ええで！」





二人で端に移動して、スマホを取り出して



上から2番目のトーク画面を開く。





【お疲れ様。単刀直入に言うけど、彼氏の名前は宮治くんです。今日侑くんの試合見にきてて、今から侑くんに会いにバックヤード入る】





いつもはわりとすぐにつく既読マーク




だけど、試合直後





なかなか既読はつかない。





……………。





はぁ。