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【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか

第2章 はじまり


生まれた時から気付いたらいつも

倫太郎が隣にいた。





親同士が仲良くて

毎日遊んで、

兄弟のように一緒に育った。





それは中学生になっても変わらなくて





女友達といるのもすごく楽しかったけど

一番安心できるのは倫太郎。



倫太郎のことはなんでも知ってるし、

私のことを一番よく知っているのも倫太郎。





そしてこれから先も

私たちは、ずーっと一緒にいるんだと思ってた。





だけど





「俺、関西の高校でバレーする」





四年前




中三の夏





あの日のことは今でも覚えてる。





真夏日のあの日




外には入道雲





窓は締め切っているのに、セミの声が煩い。





そして突然の言葉に



エアコンが入っているはずなのに


たらたらと汗が流れる。





「え………?」



「高校生になったら。家、出る」



「………なんで?

こっちにも強い学校いっぱいあるじゃん?!

なんで関西に行くの?!」



「その学校でバレーしてみたいから」





それ以上でも以下でもない。




私の一番は倫太郎だったけど、

倫太郎の一番はバレーボールだっただけ。





だけど





「ねぇ、付き合おう?」





眉を下げた倫太郎



眉を下げながらだったけど

視線はしっかりと私に向いている。





でも





「………やだ」





一度は交わった視線は私が逸らして

そして、下を向いたまま首を横に振る。





「そっか」





ちらりと見ると少し困ったように笑って




そして倫太郎の眉は、

相変わらず下がったままだった。





その日から、今までが嘘みたいに

倫太郎と一緒に過ごす時間はなくなった。





学校で会うだけ。



挨拶もしない。





最初は今まで通りに接そうとしていたけど


あの日、倫太郎からの告白を断って




それ以来、なんだか倫太郎から避けられてる気がして。





気づけばお互いがお互いを避けるようになっていた。
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