【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第19章 仙台へ(新幹線)
ただ
「それは当たり前の感情だと思うよ?
だからその感情を心配しなくて大丈夫」
あおいさんが先輩で、
私は本当に幸せ者だ。
「だけど本当に。リンに今まで "彼女" っていなかったんです。
まぁあんなんだし?どれだけ遊んでるのかもよく知らないんですけど。
不特定多数で私の知らない、次があるかないかよくわからない子たちなら、まぁ私たちはそういう関係だしって。
だけど、私に言わない彼女は本当に嫌です」
「別にそれも普通のことじゃん?」
「そうか、そうですよね。
だけどなんか、今まで絶対自分が一番だって自信があったけど、
今初めて自信なくなってます」
そっと指輪を撫でる。
「気づいてましたけど、初めての出来事になんだかちょっと病んでます。スミマセン」
今までの自信ってなんだったんだろう?
年始までの自分、カムバック。
「ううん。でもそれだけ倫太郎くんのことが大切だってわかってよかったんじゃない?
あとは!それでも大丈夫だと思うよ?だって倫太郎くんじゃん!」
ね?って励ましてくれる。
泣いちゃう。
「泣いちゃいます」
「泣かないで?!」
「あおいさんの優しさにですよ~!」
えーん!って泣き真似をする。
「それになにより、まだ彼女って決まったわけじゃないし!ね?!」
「そうでした。それの確認も含めて今新幹線に乗ってるんでした」
「ちなみに私は、今日はいないと思うな~」
「なんでですか?」
「だって仙台だよ?遠くない?!
そのうち近くでもあるでしょ?
だからその時また誘ってくれたら着いてくね!」
「何度も申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします」
「かしこまりました~!
なによりバレー見るの楽しいし!」
私を気遣ってそう言ってくれるあおいさん。
私もこんな風な大人になりたい。
だけどその前に
あおいさん越しに
急速に流れる景色に目をやって。
知りたいけど、知りたくない事実を確かめるために
さてと。
いざ、仙台へ。
(2021.6.25)