第16章 クリスマスの夜

「あと年明けの試合見に来て」



「どこ？」



「仙台」



「遠っ！」





今まで仙台まで見に行ったことはない。





「ジャッカルと試合」



「ジャッカル？」



「侑」



「あぁ！」





ジャッカルね。

頭の中にメモメモ。





「で、俺のユニフォーム着てきて」



「え？」



「ユニフォーム」



「その時、見送りとかないよね？」



「あるんじゃない？」



「は？ダメじゃない？」





侑くんに、倫太郎のユニフォーム着てるとこ見られるなんて

よくないのでは？





「なんで？」



「や、だって。

侑くんにリンのユニフォーム着てるとこ見られたら微妙じゃない？」



「サポーターで牛タン食べにきたとでも言えば？」





ウン。知ってたけど

こうなった倫太郎を論破なんてできない。





「………じゃあ、土曜の試合にして」



「なんで？日曜も来てよ」



「日曜は治くんのお店お休みだけど。

治くんと一緒に見に行っていいの？」



「………土曜のチケット準備しとく」



「よろしく」





またくしゃくしゃと頭を撫でられる。