【ハイキュー】私の苗字は角名になるのか宮になるのか
第15章 クリスマスの朝
朝、後ろから身体にかかる重たさを感じ
ぼんやりとした頭でゆっくりと
半分だけ目を開ける。
そしていつも通り寝返りをうって
後ろから私を抱きしめてくれている人を抱きしめ返すんだけど
いつもよりさらにがっしりとしたその身体つきに
思わず勢いよく目を開いた。
………やばい
今、完全にリンだと思ってやっちゃった。
規則的に寝息を立てる治くんを確認して
ひとりホッと胸を撫で下ろす。
寝顔もキレイだな~なんて思いながら
そっと治くんの輪郭をなぞると、
治くんから小さく声が漏れて、そのままギュッと抱きしめられた。
分厚い胸板はふわふわとしていて気持ちがいい。
「………おはよ?」
とりあえず声をかけてみるけど
規則的な寝息は変わらない。
昨日、初めて治くんに抱かれて
正直ヤバいと思った。
あぁ、この人のこと
好きだなぁ。って。
倫太郎以外にこんな感情を抱くのは初めてで
だけどもちろん私の特別は倫太郎。
リンがいない人生なんて考えたこともないし、考えられない。
だから、私が倫太郎以外の人と何かあるなんてありえないんだけど、
治くんに対して、抱いてはいけない感情を抱いてしまった。
そしてそれは最中だからとか
気の迷い?ではないけれど、
気持ちよさとかそんなところからくる
たまたまの感情だと思いたかったけど。
目の前の寝顔を見て、
昨日抱いた感情に特に変化がないことに
思わず肩を落とす。
そして目の前のキレイな寝顔を眺めながら、
気づけば、高校生の頃は違ったらしい
真っ黒な黒髪を撫でていて。
倫太郎によくしているその行動を
無意識に取っていたことに驚くと同時に、
ここまでだという線引きをはっきりさせておかなければならないと改めて感じた。
時計を見るとまだ6時半前
今日は休みだし、まだ寝れるなって
治くんに背を向けて、もう一度目を閉じる。