第11章 ‘‘癒しの力”
「………」
「うお…すげェ…」
「え? え?」
ー真鈴の手が淡く光り出し、どんどん傷口が塞がっていく。
…3分後には、傷口は全て塞がっていた。
「ベポ、もういいよ‼︎」
「え、え、え……何で、痛く、ねェ…⁉︎」
ベポは傷があった場所を触りまくっている。
「傷がない⁉︎ 痛くない⁉︎」
「すげェ………」
ローは感嘆の声を漏らした。
「ふふふっ、力は海軍んとこいる時に散々使ったからね。使い方は分かったし、今ではもう完璧‼︎」
「真鈴さん、何者…⁉︎」
「何者って…人。」
「そーゆー意味じゃなくて‼︎」
ベポのするどいツッコミが入った。
「ベポ…真鈴は‘‘清者”、だ。」
「…えっ⁉︎」
ベポは目をめいいっぱい見開いた。
「ええぇええええええぇええ!!!!!!?」
ズザザザ、と壁までものすごい速さで後ずさりした。
「そんなに驚かなくても…」
「驚きますよ‼︎ 真鈴さんが、あの…あの噂の‘‘清者”⁉︎」
「ベポ‼︎ あんまりでけェ声で言うんじゃねェ‼︎」
「すみません…」
ローに怒鳴られ、そのままうなだれるベポ。
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…ベポが落ち着いた頃。
「そーだったんですか…」
真鈴は今までのいきさつを全てベポに話した。
「…で、あんまり他にバラさないで欲しい…」
念のためにね、とベポから目をそらして言った。
「分かりました‼︎ 真鈴さんのためなら‼︎」
「‼︎ ありがと‼︎ ベポ大好きっ‼︎」
「わあっ⁉︎」
「‼︎」
真鈴がベポに抱きついた。
「ちょ、真鈴さん⁉︎」
「…ずっとこーしてみたかったの…モコモコであったかそうだし…」
スリスリ、顔を擦り付ける。
「あ、の…真鈴さん…‼︎」
(そろそろ離れてくれないと、キャプテンに殺される…‼︎)
ローの気持ちに気付いているベポは、恐る恐るローをチラリと見た。
…案の定、こちらを怖い目つきで見ていた。
「ひっ‼︎」
「………ま」
「ごめんなさいィィ‼︎ 失礼しましたぁぁぁ‼︎」
「きゃ⁉︎ …っえ、ベポ⁉︎」
ベポは真鈴を引き離し、部屋の外へ出て行った。