第9章 ローの葛藤
「……俺は…何を迷っている…?」
ぐちゃぐちゃだ。
頭と心で考えが違う。
(…俺はあいつのことは、恋愛感情の好き、じゃねェ…筈だ。)
けど何故、他の野郎に触れられているのを見ると、イラつく?
あいつの笑顔にときめく?
…ふと、真鈴の笑顔を思い出した。
『ロー‼︎』
「…っ‼︎」
どくん、と心臓が高鳴った。
「……2日前に会ったばかりの女に、何故こんなに心臓が高鳴る…っ‼︎」
「キャプテンが真鈴さんを好きだからですよ。」
「‼︎ べ、ベポ⁉︎ お前、いつの間に…‼︎」
いきなりベポが目の前に現れた。
「えっと、ついさっき出て行って、ペンギンに会って、船はなんともないから、って…」
「…あいつは?」
「ペンギンに連れられて、ご飯の準備に。…真っ先に真鈴さんのことを気にするのに、好きじゃないわけないじゃないですか‼︎」
「‼︎」
つい、真鈴のことを聞いていた。
「キャプテン、僕はキャプテンの彼女が出来るの、嬉しいですよっ‼︎ あの冷酷なキャプテンが一人の女に興味持ったんですから‼︎ …初恋はキチンとしないと、後で後悔しますよ?」
ベポはニヤリ、と笑った。
「………。」
(…後悔する……)
「……キャプテン?」
「…彼女いねェお前が、何一丁前に恋愛を語ってんだ!」
「痛っ‼︎ ひどいよ、キャプテン‼︎」
ベポのおでこをピンッと指で弾いた。
「けど…まぁ、なんて言うんだ……サンキュ、ベポ…」
「はい♡ じゃあ、真鈴さんを落とすの頑張って下さいね♡ ……まぁ、そんなに時間かからないと思いますけどね…」
(真鈴さんも、鈍感だからなぁ…自分で気付いてないし…)
「おい…最後らへん聞こえねェ。何言った?」
「いーえ、独り言です‼︎ 気にしないで下さい〜」
「?」
「じゃあ僕、ご飯の手伝いいってきます‼︎ ご飯になったら、呼びに来ますね〜」
「あぁ。」