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[ONE PIECE] 癒し恋 〜ローver〜

第1章 出会い


女が着ている服は、白いノースリーブのロングドレスのようなモノで、あちこちに赤い血のシミが付いていた。
女の肌などに付いていた血は、船員が濡れタオルで拭き取った。

「それは…後で話す。」
「ラ、ジャー…」

船長が一歩ソファーに近づき、しゃがみ込んだ。
女の額に手をあてる。

「熱は…ねェな。」
「……ぅ」
『‼︎』

小さいが、女が唸り声をあげた。
額から手をひく。
女が目をゆっくりと開いた。
目は漆黒のごとく、深い闇色だった。

「! お前…」
「う…あれ、ここ何処…」
「船ん中だ。」

真横から低く響く声が聞こえた。

「きゃあああ⁉︎」

女が飛び起きた。
…が、そのはずみにソファーから手を滑らせ、身体のバランスが崩れた。

「きゃ…‼︎」

(落ちる…‼︎)

次にくるだろう衝撃を覚悟するように、固く目をつむった。

「危ねェっ‼︎」

ドサッ

…間一髪で船長が女を抱きとめた。
しかも、お姫様だっこで。

「…っ?」

(あれ、痛くない…?)

「…大丈夫か。」

次は上から声がする。
ゆっくり目を開く。

「…⁉︎」

1人の男の顔が見えた。
白いフカフカの帽子をかぶっている。

(わ、結構かっこいい……じゃなくて‼︎)

「あ、貴方誰⁉︎…って、きゃあ⁉︎」

(なんでお姫様抱っこされて…⁉︎)

「お、下ろして‼︎」
「おい、暴れるな。落ちるぞ!」
「⁉︎」

女はピタリと動きを止めた。
船長が床に女の身体を優しく下ろした。

「…えと、あ、ありがとうございます…」
「…あぁ。」

船長が手を差し伸べてきた。

「…?」
「…もう動けるだろ? 立て。」


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