第1章 出会い
晴れ渡った空。
真っ青な海。
ーそこに1隻の潜水艦が浮かんでいた。
…船内。
1室で‘‘PENGUIN”とプリントされた帽子をかぶっている船員がソファーの前でかがみ込んでいた。
「おーい…って、寝てるから聞こえる訳ねェか。」
ガチャ、と後ろで扉の開く音が聞こえた。
「あ…船長‼︎」
「…まだ目が覚めてねェのか」
「はい…船長が連れてかえってきてから、未だにずっと…」
「…そうか」
ソファーには、女が1人横たわっていた。
少し癖のかかった、背中まである黒い髪。
そして、整った顔立ちをしていた。
その女はスースー、と寝息を立てて気持ち良さそうに眠っている。
船長、と呼ばれた人物がソファーに近づく。
船員より前に立った。
「…船長、いいっすか?」
「…何だ。」
「何で、この女の子…
…血だらけなんすか?」