第25章 またまた島上陸
真鈴からネックレスを受け取ったローは、彼女の前でかがみこんだ。
「ちょっと髪あげろ、邪魔だ」
「よっと…はい」
真鈴の首にネックレスがかかった。
ローは少し距離をおき、真鈴をじっくり観察する。
「…俺の予想通りだ、よく似合ってんじゃねェか」
ローは口角を軽く上げ、嬉しそうに言った。
「そ、そう? 私からあまり見えないから分かんないや…」
真鈴は赤く頰を染めながら言った。
「そっちに鏡あるだろ。見てこいよ」
「あ、ほんとだ」
鏡の元へ駆け出し、鏡に映った自分を見つめる。
「わぁ…‼︎」
真鈴は鏡の前で色々な角度からネックレスを見つめた。
そして、ローの方に振り返った。
シャララン、とネックレスの重なる音が響く。
「ロー、ありがとう‼︎ …これ、大切にするね‼︎」
真鈴はフニャアと、顔を綻ばせて言った。
「あ、あぁ…壊すんじゃねェぞ…」
「壊すわけないじゃない‼︎ …大事にする」
真鈴はとても嬉しそうに、大切に、抱きしめるようにネックレスに両手を添えた。
…ローは真鈴から顔を背けた。
顔を背けたローの顔は真っ赤になっていた。
(ネックレスなんかあげて…束縛しているつもりか、俺は…)
…実際、ネックレスをプレゼントするという行為に、“あなたを束縛したい、自分のものにしたい ”…という意味があるのだが。
「ロー?」
真鈴がローの前にまわりこんできた。
「っ! こっち見んじゃねぇ」
慌ててローはそっぽをむいた。
…が、真鈴は頬を紅潮させたローの顔を既にみていたのであった。
(ロー…顔真っ赤だ、かわいい…)
「…ロー? どうしたのー?」
「なんでもねぇ!!」
ローは真鈴の方を向かずに吠えた。
彼なりの照れ隠しのつもりなのだろうか…。
「ふーん…なら、いいや。」
「…それより、もうアイツら帰ってくんじゃねぇか?」
ローは話をそらすように言った。
「え!? もうそんな時間経ったの!?」
時計を確認するが、まだ30分しか経っていない。
「? 全然時間たってないけど…?」
「…忘れたのか? お前のケー」
「キャプテーン! 帰りましたよーー!!」
ベポの声が船内に響き渡った。