第25章 またまた島上陸
いきなり真鈴の真横からローが現れた。
そのまま腰をぬかしてしまい、その場に座り込んだ。
「くく…っ、そんなに驚くとは思わなかったぞ…っ」
笑いをこらえながらローが手を差し伸べてきた。
「だって…‼︎ いきなり現れるから…っ」
「腰ぬける程か? すまねぇなァ…っくく」
「そうだよ、もう…あ、手ありがと」
「…ん」
差し伸べられた手を握り、真鈴は立ち上がった。
服についたホコリを払う。
「…そういえば、何の用で私を呼んだの?」
(まさかエッチ、したいから…とかじゃないでしょうね)
…ふと湧いた疑問に不安を抱き始めた。
まだ生理中だというのに。
「あぁ、ちょっと待て」
「?」
ローはそう言うと、彼の机の引き出しを漁り始めた。
「…ロー?」
「待てっつってるだろうが。…あった」
ローは引き出しから小さな細長い箱を取り出した。
青いリボンがちょこんと付いているだけのシンプルな箱だ。
ローは真鈴に向かって箱を差し出した。
「…?」
「やる」
「はい…?」
「やる、つってんだ」
ズイっと半ば真鈴に無理矢理押し付けるように箱を手渡した。
「…開けていい?」
「あぁ。」
真鈴は小箱のリボンを解き、蓋を開けた。
「‼︎」
彼女が箱から取り出したのはー…
「…ネックレス?」
「そうだ。」
ローがプレゼントしたものは、シンプルなネックレスだった。
“ラピスラズリ”という群青色の丸く小さな宝石が一つ、中央にぶら下がっている。
その宝石の上に、小さな白銀のリボンが添えられていた。
「綺麗な青色…‼︎ どこでこれを…? というか、高かったんじゃないのこれ…⁉︎」
「…前、射的して巨大なベポ人形取っただろ。そこの島で買った」
「あ…あ〜‼︎ 思い出した……って、いつの間に買ったの⁉︎」
…ほぼほぼ一緒に行動していたのに、何故気づかなかったのだろうか。
「テメェが射的に夢中になってる時、ふと目に入ったんだよ。丁度店の隣だ。…お前に似合いそうなものがあったからな」
「へ、へぇ〜…」
「…貸せ。俺がつけてやる」
「え? いいよ、自分でつけ」
「貸せ。」
ローが睨む。
「…っ、わ、分かったよ…はい」
真鈴はローの目の迫力に負け、彼にネックレスを差し出した。