第25章 またまた島上陸
「わぁお…本当に帰ってきた…ローすごい」
「…あいつらの考えることぐれぇすぐ分かる。分かりやすいからな…単純だからな、あいつら」
「ははは…確かにね、単純というか純粋だね」
「船長ー! ケーキ全部食ってないですよねー!?」
扉が勢いよく開き、シャチが部屋に飛び込んできた。
「食ってねぇよ…というかシャチてめぇ、何回言ったら分かるんだ…?」
「え? …あ”」
シャチの顔が一気に蒼白になった。
「部屋入る時ぁ、ノックしろって、言ってんだろがぁぁぁ!!」
「すみませんでしたぁぁぁぁぁ!!!!」
ローに斬られる寸前でシャチは部屋を飛び出していった。
…暫し、静寂が続いた。
「…あー…どんだけ楽しみにしてたんだよアイツ…。さては酒場にも寄らず帰ってきたな…」
「酒場?」
「…あァそうか、てめェは知らねェな。島着いたら、いつも酒場に行くんだよ。…船にはいねェ、女がうようよいるからな」
「そ、そう…なのね…」
真鈴は表情を曇らせた。
(ローも…女の人目当てに…?)
「…俺は、女にそんなに興味なかったから、近づいてきても無視してたけどな。…シャチはデレデレだったが。」
ローは真鈴の表情を見て、彼女の思っていることを悟ったのか、彼女の頭をポンと撫でながら言った。
「そう、なの…」
…まだ心がモヤモヤするが、ほんのちょっと、安堵をおぼえた…が、ハッと何かに気づいたようで顔をあげた。
「え…? でも、なんで私を…?」