第25章 またまた島上陸
船員(5)「真鈴ちゃーん‼︎ ケーキは頼んだ‼︎ くれぐれも船長に全部食われねェように‼︎‼︎」
「大丈夫‼︎ みんなの分は残してる…から‼︎ それじゃ、いってらっしゃい‼︎」
『ハイ‼︎ 行ってきまーーす‼︎‼︎』
船員達は砂煙を巻き上げながら町へとくりだしていった。
…残った二人はというと。
「さて…と。」
軽く伸びをするロー。
「…。」
(私…何しよう。ケーキのおもりばっかりじゃ暇だし…。いっそのこともう一品作ろうかしら…そういえば、お皿まだ洗ってなかったな…)
うーむ、とやることを悩んでいたその時。
「真鈴」
「なぁ…っ⁉︎」
ローの方を振り向いた瞬間、頭をひかれ、唇が合わさった。
軽くキスを交わす。
「っ… 後で俺の部屋に来い。」
「? 分かった…けど、いきなりキスするの、やめて…」
真鈴は頰を赤らめて言った。
「無理だな。」
「⁉︎」
「普段、あいつらがいたらお前にキスしたくても出来ねェんだぞ。今ぐらいいいじゃねェか」
「…普段いても堂々としてるじゃないの」
「…。」
図星である。
「…。俺がしてェんだよ、文句言うんじゃねェ」
ちゅ、と軽く頰に唇を落とした。
「…っ、もう…」
呆れながらも、再び頰を紅潮させる真鈴。
「…まぁ、お前の反応が毎回毎回面白いからやる、というのも理由の一つだがな」
ローは楽しそうに口角を上げ、妖しげに笑みを浮かべて言った。
「…っもう‼︎」
「じゃあ、後で来いよ。お前の用事が終わって、あいつらが帰ってくる前に。」
「あ、うん、分かった。」
「多分あいつら、いつもより帰ってくるの早いと思うぞ」
「はいよ…」
じゃあな、と言ってローは自分の部屋へと戻っていった。
「…さて。」
(とりあえずお皿洗って…と。終わったらローの部屋に行こ。)
調理室の扉を開ける。
(…あれ、そういえば、何の用で私を呼んだんだろう…?)
…疑問を持ちながらも真鈴は手早くやることを進めていったのであった。
…作業を済ませ、ローの部屋を訪れた。
部屋の扉をノックする。
「ロー、来たよー?」
「あぁ、入れ。」
「はーい」
扉を開け、部屋に入るも、視界にローの姿が見当たらない。
「あれ?」
「早かったな」
「ぎゃあああ‼︎⁉︎」