第20章 力の代償
「キャプテン‼︎ 先お風呂入りましょう‼︎」
「……そうするか。真鈴、風呂入ってくる。あまりにもしんどいのならコレ押せ」
ローは真鈴に小さいボタンを手渡した。
「ペンギンに一つ持たせているから、何かあったら呼べ。」
「うん…ありがと」
ローはベポと共に部屋を出て行った。
真鈴一人が部屋に残された。
「ゔぅ……あついぃぃ…寝たらマシになるかなァ…」
そう言い目を瞑ると、すぐ睡魔が襲いかかってきた。
真鈴はそのまま眠りについた。
…しばらくして。
ローは風呂から上がり、すぐさま真鈴の元へ向かっていた。
「真鈴…戻ったぞ。」
「…っあ? ろぉ…」
真鈴はローの声に反応し、目を覚ました。
のっそり起き上がり、ローを見た。
「…真鈴?」
「ろぉ…ろー〜」
真鈴の様子がおかしい。
真鈴は布団を両手でバシバシ叩いている。
まるでローを呼んでいるかのように。
ローもそう感じたのか、真鈴に近づき、彼女の横に腰掛けた。
…と、その瞬間。
突然真鈴がローの背中に抱きついた。
ローの腰あたりに腕が絡みつく。
「!!!?」
あまりにも突然のことに、ローは頰を赤く染めた。
心臓も五月蝿く鳴り響く。
「真鈴…?」
おそるおそる後ろを振り返ると、真鈴はこちらを潤いを帯びた目で見上げていた。
「…っ‼︎」
「ろぉ…ふふふ…」
「…っお、おい? …っわ⁉︎」
真鈴は急にローの首に腕をまわし、正面から抱きついた。
真鈴の頭がちょうどローの首元に収まった。
真鈴の髪がローをくすぐる。
「…っお、い⁉︎」
「…すきぃ」
「は⁉︎」
「すき……ろぉだいすきぃ♡」
真鈴はしっかりローの瞳を見つめながらそう言った。
(な…なななんだ、一体⁉︎)
ローは真鈴の急な変わり様に物凄く同様している。
「ん〜…」
ローの胸元に顔を埋め、ローの身体を抱きしめる。
ローも反射的に、真鈴の身体を抱きしめた。
「ろぉのからだ…あたたかいねェ…?」
…ローは、真鈴の言動が子供じみていることに気がついた。
(こいつ…熱にやられたか?)