第19章 未知の火山島
「⁉︎」
急いで真鈴に駆け寄り、包帯が巻いてあった場所をみた。
(傷がないー………まさか、)
「真鈴‼︎」
ユサユサと真鈴の肩を揺する。
…が真鈴は起きない。
冷や汗が出てきた。
真鈴の口元に自分の手をかざす。
…呼吸はしている。
真鈴の左胸に耳をあてる。
とくんとくん、と一定の速さで鼓動が聞こえてきた。
(…死んでいるわけではねェな…よかった…)
…が、ピクリとも動かない真鈴を見て、ますます不安がつのる。
「……何故能力を使った…‼︎」
ローは真鈴を抱き上げ、そのまま抱きしめた。
身体は温かいが、その主は声一つ発さない。
動かない人形のようだ。
そんな真鈴の様子に、ローの胸は締め付けられた。
(胸が、苦しいー…)
その時。
扉をノックする音が聞こえた。
「キャプテン…ベポです‼︎ 入りますよ?」
「あぁ……入れ」
「?」
ベポはローの言葉に覇気がないことに気がついた。
(キャプテン…?)
ベポは部屋の扉をそっと開け、中に入った。
寝台の上で2人を見つけた。
ローはこちらに顔を向けてはいるものの、いつもより顔色が悪いような気がした。
「キャプテン…?」
「…何の用だ、ベポ」
「その前にキャプテンがどうかしたのですか‼︎ 顔色悪いですよ⁉︎ 何かあったの」
ベポはさっきから動かない真鈴に気がついた。
「…真鈴さん?」
ベポは2人に近づいた。
「⁉︎ 真鈴さん? え、ちょ…大丈夫なんですか⁉︎ すごく顔色悪いじゃないですか‼︎」
「能力の…代償だ。」
「⁉︎」
ベポはある程度、“清者”のことを聞いている。
「島で…怪我したのですか?」
「あぁ。足滑らしてな…結構勢いよく擦ったみてェだ。…血が出る程だった。」
「っ‼︎ …そ、そうなのですか…。いつ目を覚ましま…?」
「…? どうした」
「これ…」
ベポは机に置いてあった真鈴の置き手紙に気がついた。
手紙を手にとり、文を読む。
「真鈴、さん」
「貸せ」
ベポはローに手紙を手渡した。
「………な、」
「真鈴さん…優しすぎますよ…3日ぐらい、迷惑なんかじゃないですよ…‼︎」
手紙にはこう書いてあった。