第18章 心の気持ち
そして辿り着いた方法はー…
「…っ⁉︎」
キスだった。
ローの顔を両手で引き寄せ、触れるだけの軽い口付けをした。
「な、んだ、いきなり…」
ローはいきなり真鈴が積極的になったので、戸惑っている。
「んーと…なんとなくしたくなった。」
ニコリと微笑む。
キュウン、とローの心が締め付けられた。
ローはまた真鈴にかぶさり、彼女を抱きしめた。
(……ヤバイ、愛しくてたまらねェ…)
さっきキスされる前に伝えたかったことがあったのだが、それをすっかり忘れて、またしばらく真鈴を抱きしめ続けた。
…しばらく抱きしめ合った後。
朝食の準備をそろそろしようと真鈴を呼びにきたベポが部屋に入ってきて、ローの怒りを食らった。←
〜調理室〜
「…ベポ、ごめん」
「なんで真鈴さんが謝るんですか⁉︎」
「そーだよ、真鈴ちゃん‼︎ ノックせずに部屋に入ったベポが悪ィんだよ‼︎」
「すみません…」
『打たれ弱っ‼︎』
真鈴達は朝食の準備をし始めた。
テーブルの周りには、ちらほら船員の姿が見え始めた。
船員4「やっべェ…美味そうな匂いが…」
船員1「…ヨダレ」
船員4「はっ⁉︎」
船員1「汚ねェ…」
「ちょっとそこ‼︎ ヨダレ垂らしてないで、配膳手伝いなさい‼︎」
『い、イエッサー‼︎』
…数十分後。
朝食の準備が終わり、船員達も集まった…が。
船員5「…船長いなくねェか?」
確かに、ローの姿が見えない。
シャチ「ありゃ? 船長起きてるはずなんだけど…ね、真鈴ちゃん」
「うん…」
船員1「珍しい…」
船員3「船長が二度寝?」
室内がざわめき始めた。
ペンギン「真鈴ちゃん、起こしてきてくれる?」
「あ、うん。…あ、ご飯冷めちゃうから先食べてて‼︎」
『ラジャー‼︎』
真鈴は船員達の合唱を聞いてから部屋を出た。
小走りでローの部屋へ向かう。
(そういえば…ベポ痛めつけた後、寝るって言ってたな…。まだ寝てるのかな)
ローの部屋の前まで来た。
扉をノックする…も返事がない。
「ロー、後出来たよー‼︎」
無反応。
「…ぐっすりだな、こりゃ」
扉を開けて部屋の中に入った。
ローは寝台で寝転がっていた。