第2章 ‘‘清者”
「な…んで」
真鈴は驚きで口をパクパクさせている。
「…名前が、変だったから。」
「へ、変って…」
だから貴方の方が…と、思ったが口には出さなかった。
「‘‘異世界”の人間だろ?」
「‘‘異…世界”?」
「この世界じゃねェ世界。」
(私の住む世界のことを言ってんの…かな?)
「…う、うん。じゃない、はい。‘‘異世界”から…無理矢理連れてこられた。…海軍にね。」
海軍に、を強く強調して言った。
「‘‘異世界”、か…。」
「………興味ある、の?」
「いや、あまり。…てか、海軍のこと、そんなに嫌いなのか? すんげェ強調して言ってっけど。」
「…うん。嫌い…。…あ、青雉さん以外が。」
「…なんでそんなに青雉を、特別視する?」
「‼︎……私の話、唯一聞いて、考えてくれたから…。赤犬なんか、こっちを蔑むような目で見てくるもん。」
「……現に赤犬だけ呼び捨てだしな…」
「…というか、無理矢理こっちに連れてこられた自体嫌だった。…先に説明してくりゃ、話が分かる所もあった筈なのに。それだから、私は海軍は好きじゃない。」
「…海賊以外に海軍を嫌う奴がいるなんてな。」
「嫌なものは嫌だもん。」
真鈴ははっきりと言い放った。