第16章 ベポの勘違い←
ローは真鈴の上から退いた。
「お前ら…こんなことして、どーなるか分かってんだろうなァ…?」
(また邪魔しやがって…特にシャチ)
ギロリと2人を睨む。
2人は肩をすくませた。
シャチ「ヒッ⁉︎ せ、船長‼︎ これにはワケが」
ベポ「真鈴さん起きてるかな、って思って来ただけです‼︎ 前もすごい早い時間に起きていたので…」
シャチ「決して、船長のラブ活を盗み見しようとは…‼︎」
「……問答無用だ、“ROOM”」
いつの間にかローの手には、鞘から抜いた鬼哭が握られていた。
『ギャアアア‼︎』
…反省後。
「…。」
「真鈴さんすみません…」
「真鈴ちゃんごめん…」
「…もういいってば…」
真鈴はさっきから、見事な包丁さばきをみせている。
「それより、今日は特に朝早かったのに…なんで起きてたの?」
「あ、いや、なんとなく…いつも真鈴ちゃん起きるの早ェじゃん? だんだん早くなってきてるから…」
「この時間かなーっと思ったんです‼︎ 僕らも当番なんだから、真鈴さん一人でやられちゃ、僕達の面目? がたたないじゃないですか‼︎」
「そうそう。俺らも当番なんだから…い、一緒にやらなきゃ駄目だろ?」
ベポは元気よく、シャチはうっすら頬を赤く染めながら言った。
「うん…ごめんね、いつも早起きさせて」
「謝らないで下さいよ‼︎ ことわざでいうじゃないですか‼︎ “早起きは酸素の徳”って‼︎」
間。
「……ベポ、“酸素”じゃなくて“三文”…」
「え、」
「酸素が何を徳するのよ…っ」
真鈴は必死に笑いをこらえ、シャチは腹を抱えて笑っている。
「ぶっ…くくく…はっはっは‼︎」
「ちょっ、シャチ…っ‼︎ そんなに笑ったら、し、しつれいだから…っ‼︎」
「無理我慢出来ねェ…っはははは‼︎」
「……うわぁ恥ずかしい…」
ベポは顔を赤くし、うなだれた。
「…あははっ‼︎」
ついに真鈴も笑いを我慢出来なくなり、声をあげて笑いだした。
「ははははっ‼︎ …ははっ‼︎ ベポ、その間違い方はないでしょ…っ‼︎ ひー…‼︎」
「そんなに笑わなくても…」
ベポの顔にブルーの縦線が入った。←