第16章 ベポの勘違い←
…次の日の朝。
また真鈴は早くに目覚めてしまった。
(あぁまた早すぎた、起きるの…)
思わずため息をついた。
…ふと、隣にいる人物の存在を思い出した。
(寝顔可愛い…♡ じゃなくて、ロー…まだ寝てるよね。)
ツン、とほっぺたをつついてみた。
意外と柔らかい。
「……ん…」
「‼︎」
ローは小さく呻き、寝返りを打った。
ちなみに手は握ったまま。
(…朝ごはん作るとするかぁ。当番の2人はまだ起きてないと思うけど…)
真鈴はローを起こさないように、ゆっくり寝台から抜け出そうとした…が。
「あ…」
手を繋いでいることを思い出した。
(は、離せるかな…)
そーっと指を一本ずつ順番に離していく。
…指全部離れた。
(よし)
ゆっくり寝台から抜け出す…が。
「…おい……どこ行きやがる…」
「⁉︎」
ローが真鈴の腕を掴んだ。
「あ…ごめん、起こしちゃった…?」
「…たまたまだ。」
(…急に手の温もりがなくなったから目覚めた、なんて言えるわけねェ…)
…意外と敏感なローであった。
「まだ早いよ? 時間」
「……げ。」
ローは時計を見て驚いた。
「…寝る」
「そーしなさい」
…が、真鈴の腕を離そうとしない。
「ロー…私朝ごはん作るから」
「…。」
「ロー、離してー」
「…行くな」
「っ‼︎ そ、そー言われても…」
ローは真鈴の腕を引っ張り、その場に引き倒した。
…ローが真鈴の上に馬乗りになっている状態だ。
「⁉︎ ロー、ちょ…起こしてっ」
「いやだ。」
「いやだ、じゃなく…っ‼︎」
頬から首筋へと、いやらしい手つきで撫でられた。
ゾワリと身体が震えた。
「クク…こんな朝っぱらから触られて、感じてんのかァ…?」
「っ、ちが…‼︎」
ローの指が“印”に辿り着いた、その時。
「…誰だ、覗き見している奴は」
「⁉︎」
ローは扉の方を見もせず言った。
ガタッと何かが、扉の方で当たった音がした。
「ちょ、バレてるって‼︎ あ、押すな‼︎」
「だってよく見えな…あ」
『わああぁっ‼︎』
バターンと扉が倒れ、シャチとベポが一緒に倒れてきた。
「ひあぁあ⁉︎ ロー、早く退いて‼︎」
(今までの見られて…っ⁉︎)
かぁぁ、と急激に体温が上昇していく。