第16章 ベポの勘違い←
「…っ‼︎ 」
真鈴は恥ずかしさのあまり、顔を両手で覆った。
「お前…可愛い声出せんじゃねェか。もっと聞かせろ…」
「え、う、ちょっ…ゃあっ‼︎」
ローは顔を真鈴の胸元に埋めた。
「っやだ、ロー離れて…っ‼︎ それ以上進むの、まだ怖い…っ‼︎」
「怖い…? じゃあ何でこんなに心臓動くのが速ェんだ…?」
「ローがそんなことするから…‼︎」
本当は恐怖心よりドキドキの方が勝っている。
「……意外とでけェな、お前」
「んな⁉︎」
真鈴の背中に腕をまわし、より強く胸元に押し付ける。
「柔らけェ…」
「何しみじみ言ってんのよ…っあ⁉︎」
ペロリと胸元を舐められた。
ゾクリと身体全体に快感がはしった。
「ろっ、ロー‼︎」
「分かったよ……最後、だ」
「ひぅっ⁉︎」
胸元に吸い付き、一つ“印”をつけた。
真鈴の胸元から離れ、赤くなっている真鈴の頬に音をたて、軽く口づけをする。
「…しょうがねェから、今日はここまでにしといてやる。……次は脱がされる覚悟しとけよ…?」
「ーっ⁉︎」
真鈴を自分の胸元に寄せ、抱きしめる。
「…もう寝る。ベポには悪ィが」
さっきまで彼女を散々いたぶっていたのに、直ぐ寝るとは自由奔放な男だ。
「え…ちょ、このまま⁉︎」
このまま=真鈴の視界いっぱいにローの裸体(胸)。
男慣れしていない真鈴にとって、このまま寝ろというのは酷である。
「ちょ、待っ…せめて、仰向けにさせて…‼︎」
真鈴が身をよじる。
「……しょうがねェヤツ…」
ローはしぶしぶ真鈴の身体を少し解放し、彼女を上向きにさせた。
そして再び、真鈴を拘束した。
「…このまま寝るの?」
「そうだが。」
「ロー、寝にくいんじゃない? この体制…」
「少々はな。…だが、お前に触れたまま寝てェんだよ、俺は。」
「っ‼︎ 手、だけ握ればいいんじゃ…?」
「……そんなに離れてェのか」
「そんなわけない‼︎ ローのこと思って言っただけじゃない‼︎ 抱きしめたままだと、腕が痛くなるでしょ?」
「…まぁな。」
ローはしばらくの間考えた結果、手だけを握ることにした。
…腕を絡ませながら。
「…おやすみ。」
「おやすみなさい…」