第16章 ベポの勘違い←
「…うん」
ローの言葉で恐怖心が消え去っていく。
…だいぶ落ち着いてきた。
目を開く。
いつの間に動いたのか、目の前にはローの顔があった。
「…やっと目ェ開けたか。」
「ローのおかげで…だいぶ安心した。…ありがと」
ローの首元に腕をまわし、抱きしめる。
裸、ということに少し抵抗があったが、気にしないようにした。
「…礼は言葉じゃなくて、お前のココで返して欲しいんだが?」
ローはそう言うと、真鈴を少し離し、真鈴の唇に指を添わせた。
「…っ‼︎」
恥ずかしさをこらえ、おそるおそるローの唇に己のを重ね合わせる。
「……ありがと、ロー」
「…っ」
伏し目がちに目をそらし、うつむく真鈴。
そんな彼女の可愛らしさに、ローは欲情を覚えてしまった。
(……俺、こんなに欲情しやすい男だったか…?)
「…なァ、真鈴」
「?」
上目遣いで顔を見上げられ、キュウン、と胸がときめいた。
「…キスしてェ。激しいヤツ」
「⁉︎」
真鈴は目を見開き、顔全体を赤くさせた。
「あ、う…え、」
「イイだろ…?」
「んっ…‼︎ イイって、言ってな…っ」
唇が重なったと思えば直ぐに、唇を割って舌を入れ込む。
貪るように忙しなく、舌をうごめかす。
「…っあ……‼︎ ベポ、来たら…っ…ど、うすんの…っ」
「…その時はその時だ……今は…お前のことしか考えたくねェ…」
「〜っ‼︎」
「余計なこと考えてねェで、感じとけ…っ」
ローの唇が、真鈴の唇からだんだん下へ降りていく。
夕方に付けられた首筋の“印”に口づけ、強く吸った。
「んっ‼︎」
「っは……もっとつけてやろうか…?」
「⁉︎ もういい、恥ずかしい……っん‼︎」
真鈴の言い分を無視し、鎖骨の辺りを食み、新たな“印”をつけた。
「もういいって言ったじゃん…しかもまた見えるところに…‼︎」
「はっ……嫌なのか? 俺のモノだっていう“印”だぜ…?」
(…どれだけこいつを独占したいって思ってんだ、俺は…。幾つもキスマークつけて。独占欲強すぎだろ…)
「っ‼︎」
(いくつつけても足りねェ…早くお前の全てが欲しい…)
ローは真鈴の胸元に唇を落とした。
「ひゃあん⁉︎」
「‼︎」
真鈴が身体を軽く震わせ、高い声を出した。