第15章 ヨゾラ島
「つけて悪ィモノじゃねェだろう?」
首筋につけた“印”をなぞる。
「そ…だけど…こんな見える所に…」
「…見えないトコなら、よかったのか?」
「あ…」
(しまった…また墓穴掘った…‼︎)
「ーっなんでもない‼︎ 気にするな…っ」
「くくく…はいはい」
ベポが戻ってきた。
「キャプテーン‼︎ 花火まであと1時間あるので、キャプテン達はどっかうろつきに行ってきても大丈夫ですよー‼︎」
「…そうか。」
「ベポは? 一緒にくる?」
「んー…船にいます‼︎」
「あ、じゃあ私も残ろうかぁっ⁉︎」
ローに腕を引っ張られた。
「な…に?」
「…行くぞ。」
「え、ちょ…どこに?」
「…“デート”、に決まってんだろ。」
「‼︎」
「次ははぐれんなよ…」
キュッと固く手を繋ぐ。
「う…うん」
「いってらっしゃーい♡」
ベポに見送られ、2人は再び祭りの世界へ溶けこんでいった。
「…なんかさっきのベポの顔すごかった」
「…あぁ」
先程のベポの顔ー…
ニヤニヤし過ぎて、文章では表せないような表情をしていたのだった。←
…1時間後。
船員達は遊び終わり、ロー達2人はデートが終わり、船に戻ってきた。
「全員戻ったか? 出港するぞ‼︎」
『ラジャー‼︎』
出港といっても、ほんの少し沖に出るだけだが。
錨を下ろし、船を固定した。
船員3「花火ー‼︎」
ペンギン「まだだし。気が早ェヤツだな…」
船員3「なんだよ‼︎ お前こそ、ウキウキしながら立派にカメラ構えてんじゃねェかよ‼︎」
ペンギン「うっ…そ、それは、空が綺麗だったからだっ」
ペンギンの言った通り、空は満天の星が広がっている。
「綺麗…」
真鈴も星空に目を奪われる。
「真鈴さん」
「‼︎ …なんだ、ベポか。」
「キャプテンが呼んでるよ?」
展望台の方を指差した。
「分かった。ありがと‼︎」
「楽しんできてくださいね♡」
「あーはいはい」
ベポの裏がありそうな言葉を適当に流して、ローの待つ場所へ向かう。
…展望台へとつながる梯子まで来た。
「ロー、来たよー」
展望台の入口が開かれた。
…真鈴から見れば、天井が開いた。
「…上がってこい」
ローは、入口から顔を覗きこませて言った。
「はーい」
梯子を登っていく。