第15章 ヨゾラ島
「…つかまれ」
「? …っわ‼︎」
ローに抱え上げられた。
そのまま横に真鈴を降ろし、入口(天井…じゃなくて今では床)を閉めた。
「意外と広いのね」
「まぁな」
「キャプテンー‼︎ ちょっと動かしますよー‼︎」
ベポの声が聞こえてきた。
「おー」
ローは歩いて縁まで行き、顔を覗かせた。
「真鈴、船少し動くぞ。…倒れるなよ」
「…座っておきます。」
ちょこんとその場で正座した。
「…っ」
真鈴のその姿があまりにも可愛すぎて、ローの心臓はバクバクと高鳴る。
…つい、にやけそうになった…その瞬間に船が大きく揺れた。
「っ‼︎」
油断していたローの身体が前向きにグラリ、と傾く。
(しまっ…‼︎)
「ロー‼︎」
真鈴が駆け寄りながら手を伸ばしたが、それが届くはずもない。
ローは後ろにひっくり返ったー…かと思いきや、軽い身のこなしで回転し、後ろに跳ぶことで、こけることを回避した。
「…危ねェ」
…真鈴の横まで回避跳びしてきたローであった。
「ローがこけそうになってどうすんのさ‼︎」
人のこと言っといて、と真鈴がぷくーっと頬を膨らましながら言った。
それを見た瞬間、心臓の鼓動が早くなった。
「…テメェ…襲われてェのか」
「なっ⁉︎」
…瞬間、ドーンと大きい爆発音がした。
「ひぎゃあ⁉︎」
「⁉︎」
真鈴がローに抱きついた。
「な、に…今の音」
「お前…気づかなかったのか?」
「え…」
ローが前の空を指差した。
そこには、何かが爆発した煙が残っていた。
…島の方からカウントダウンする、島民達の声も聞こえてきた。
「…花火‼︎」
「そうだ…」
ドーン‼︎
「わあぁ…‼︎」
島民達や船員達の歓声と共に花火が打ち上がっていく。
「すごーい……っキャ⁉︎」
前に行こうとした真鈴のフードをローに掴まれた。
「ココで座ってみようぜ。」
「でも、前にいった方がよくみえるんじゃ」
「前に行っちゃ、あいつらに見られるだろ。俺は別に構わねェが」
「‼︎ …そ、だね」
ローは壁にもたれかかりながら座った。
真鈴も隣に座ろうとした…が。
「…こっち来いよ」
「ひゃ‼︎」
腕を引っ張られ、必然的にローの膝の上に座らされた。