第15章 ヨゾラ島
シャチ「…っそ、そーなんすか…」
シャチがガックリうなだれて言った。
船員4「…どんまい。」
シャチ「あぁ…」
船員4はポン、とシャチの肩を軽く叩いた。
…瞬間、船員3と目が合った。
船員4は船員3に近づき、ボソボソと話し始めた。
船員4「まだいるよな…真鈴ちゃんに気ィ持ってる奴ら…」
船員3「あぁ…」
チラリとシャチを見る。
シャチ「あの…おめでとうございます‼︎」
「あぁ」
ローはニヤリと得意そうに笑みを浮かべている。
…シャチは、顔では笑っているが、絶対に心で泣いているにちがいない。
きっとロー達が去った後、部屋の隅でズーンとするだろう。
船員4「…気付いていない奴ら全員、あんなんになるのか…」
船員3「…そうだな」
船員4「俺達が先言っておいた方がいいよな…船長直に言われるより」
船員3「…そうだな」
…後のことを重んじ、2人はため息をついたのだった。
「…おい、荷物、とりあえず中入れるぞ。ココは邪魔だ」
真鈴を解放したローが言った。
『ラジャー‼︎』
各々自分の荷物を持っていく。
真鈴も人形を持っていこうとするものの、人形が大きい為、地面に擦りそうになる。
「真鈴さん、僕持っていきます‼︎」
「あっ……ありがとう‼︎」
ヒョイっと人形を取り上げた。
「…真鈴さん?」
「はい?」
「首…どうしたんですか?」
「首? 」
ベポがローがつけた“印”に気がついた。
「何かにさ…あ」
ベポは一つ心当たりがあるようで、ローの方を見た。
ふいっと顔をそらされた。
(…なるほど♡)
「ねェ、ベポ。ココ、なんかなってるの…?」
「えーとですね…野郎除けっていうか…」
「?」
「…ちょっと耳貸して」
「?」
ベポに近づき、耳を澄ます。
ボソリと真実を話す。
「“キスマーク”です♡ キャプテンの束縛…じゃなくて愛の“印”ですよ…♡」
「⁉︎」
ボンッと顔が真っ赤になった。
「これでしばらく、野郎共は近づきませんね、キャプテン‼︎」
「…るせェ、さっさと人形直してこい」
「アイー♡」
ベポは謎にスキップしながら船に戻って行った。
ローは真鈴の方に顔を向けた。
「ロぉー…」
「別にいいじゃねェか。俺のモノだっていう“印”だろ?」
ニヤリと不敵に笑う。
「〜っ‼︎」