第2章 ‘‘清者”
抵抗する手の力が抜けた。
それに気付き、ローも力を弱めた。
真鈴の目を見据える。
「ふ…封印って、なんで? ていうか、なんで貴方が知って…⁉︎」
「…てめェが寝てる間に色々調べた。封印のことはさっきの海兵から盗み聞きした。」
「…。」
「…海軍は、お前の力を本当に必要とする時まで…生きたまま、昏睡状態にするんだぜ? 」
「⁉︎」
封印する。昏睡状態。
…そんなこと、初めて聞いた。
この世界に連れてこられ、最初に、海軍の赤犬からは、
「…お前はいつか来るあの時まで、ココにいてもらう。外にも出るな。…1ヶ月に1回ぐらいは働かすために外に出させてやるが。力が鈍っても困るしな。」
…と、言われたことは覚えているが、封印のことは何も聞いていない。
1ヶ月に1回外に出す、力が鈍ると困る、と聞いた時はふざけるな、と思ったが。
第一、なんで海軍に力を使わなければならないのかも分からない。
真鈴の見張り役だった青雉も、封印について何も言ってない。
比較的、青雉とは打ち明けられた方だったのだが。
…もし、このことが真実ならば、海軍に戻っても封印される。
いつ目が覚ませるか分からない。
あの時、が終わっても、元の世界に戻れるか分からない。
用済みになって殺されるかもしれない。
でも、封印なんて、この人の嘘かもしれない。
だけど本当だったら…
…真鈴の頭の中がグチャグチャになってきた。
「…そうしようとしている海軍の元へ、お前は戻るのか?」
「っ‼︎」
真鈴はローから目をそらした。
ローは手の力を再び緩めた。
「…でも、貴方が嘘つい」
「信じるか信じねェかは、お前が決めることだ。」
「…‼︎」