第2章 ‘‘清者”
「………………………は⁉︎」
ドクン、と心臓が高鳴った。
真鈴の頬が淡く赤色に染まった。
(い、いきなり何言い出すの、この人…‼︎)
「…今、医者(船員)が足りくさくてな…。ちょうど、良かったからだ。」
「………。」
一瞬で言ったことを理解し、頬の赤みが消えた。
(なんだ…そーゆーことか。…いや、ちょっと待て、船員が足りくさい…ということは、)
「おい、‘‘清者”…。俺の仲間になれ。」
「‼︎ む、無理に決まってます‼︎ わ、私一応…海軍の人(?)よ? えっと、だから…だからごめんなさい‼︎」
真鈴はそう言い捨てると、ローの背後にある扉めがけて走り出した。
「‼︎」
(こいつ…足速ェ⁉︎)
「ルーム‼︎」
ローの周りに空間が広がる。
そして、一瞬で真鈴の前に立ちはだかった。
「きゃっ‼︎」
勢いがつきすぎて、そのままローにぶつかった。
…が、真鈴はそのまま突っ切ろうとした。
「逃がさねェよ。」
「…っ‼︎」
真鈴の両手首を掴んだ。
「は、離して下さ…いっ‼︎」
「駄目だ。…俺に命令するんじゃねェ。」
そのまま真鈴を壁に押しつけた。
「お前は、海軍がしようとすることを知ってんのか?」
「私の力、使うことでしょ⁉︎」
「まぁそうだが…。じゃあ封印されるのも承知のうえか?」
「……⁉︎ な、ななな、何、それ…封印⁉︎」
「あ? 知らねェのか?」
「し、知らない…」