第15章 ヨゾラ島
「真鈴…」
「ちょ、ロー?」
「……ヤりてェ」
「⁉︎」
またまたボンッ、と真鈴の顔が赤くなる。
…次は湯気が出そうだ。
「それは…ちょっと……い、今舟番中だし‼︎」
「そんなもんベポがしてくれる。」
「ベポばっかり(一人で)任せちゃ駄目でしょ⁉︎ しかもココ外っ‼︎」
「…外じゃなきゃイイのか?」
「あ…」
キラリと目の奥を輝かせ、ローは妖しく笑う。
「じゃあ中行こうぜ…?」
耳元で、わざと色っぽい声音で言った。
真鈴の手を引き、立たせる。
「だ、駄目だってば…」
「キャ〜プ〜テ〜ン〜‼︎」
『ぎゃあっ⁉︎』
何処からか、ベポの声が聞こえる。
「ほら‼︎ ベポ怒ってるでしょ‼︎」
「ベポ…」
「キャ〜プ〜テ〜ン〜‼︎ おめでとうございます‼︎ …だけど、サボらないで下さいよっ‼︎」
「うっ…」
ベポは展望台から顔を覗かせていた。
「でも、良かったですね〜‼︎ 可愛いカノジョ出来て♡」
「⁉︎ テメっ…ベポ、お前、いつから見ていた…‼︎」
「椅子に座ったところから♡」
「そこから⁉︎」
2人共顔が真っ赤だ。
真鈴に至っては、恥ずかしさで倒れそうになっている。
(今までの一部始終、見られてたってこと…⁉︎)
「アイツ…人の個人情報を大声で……っ‼︎」
「っで、ではまた後でー‼︎」
ローの気迫に気づいたのか、ベポはサッと引っ込んでしまった。
「後で覚えてやがれ…。ったく、何気にいつもどこかで盗み見しやがって…」
「…有能な部下じゃん、ベポ」
「…いい風に言えばそうだが。」
「ふふっ…」
「!」
真鈴の笑顔にキュウン、と心が引きつけられる。
…今度は欲情を抑えた。
「…なぁ、真鈴。」
「何?」
「…今度、またちゃんとした“デート”、しねェか…?」
今日のは散々だったしな、とつけたし、頭を掻きながら言った。
「…うん‼︎」
頬を赤らめながらも、目を輝かせ、笑顔を魅せた。
「…。」
(…こいつは俺に襲われて欲しくて、そんな可愛い顔するのか⁉︎)
…違います。
「お前…」
「? 何?」
「……いや、何でもねェ…」
「わっ⁉︎」
ローは真鈴の頭を撫でた。
「な、何、急に⁉︎」
「…撫でたくなっただけだ。」
…本当は、照れ隠しする為にしたのだが。