第15章 ヨゾラ島
ギシ…
2人は向かい合って座った。
…沈黙状態が続く。
真鈴はチラッ、とローの方を向いた。
「っ‼︎」
「‼︎」
…ローも真鈴を見ていたようで、自然と目が合った。
二人同時に目をそらす。
(ひゃああ…ローもこっち見てた……それ以前にき、気まずい…)
また沈黙状態に陥る。
(あ、そーいや、舟番‼︎ 見張らないと‼︎)
真鈴は周りを見渡した。
…おかしなところはないようだ。
この船以外に2、3隻海賊船が停泊している。
人の姿は見えない。
「…おい、何キョロキョロしている」
「‼︎」
ローに話しかけられた。
「い、いや…おかしなところはないかな、と思って‼︎」
「…で?」
「な、何もなかったよ…」
「そうか。」
「…。」
…会話終了。
(…さっきのこと、聞いてみたいけど…“俺の女”ってどーゆう意味で言ったのか、あのキスは何だったのか…)
「……ね、ねェ、ロー。さっき」
「待て。…俺から話す。」
「…はい」
海風が2人の間を流れる。
真鈴の髪が風にあおわれた。
「…俺にとって、お前は……俺の大切な女、だ…」
「……。」
「つまり、その……真鈴、お前の事が好きだ。」
「‼︎」
かっ、と身体中の体温が高くなった。
ローは立ち上がり、真鈴のそばに来た。
真鈴の頬にそっと手をあて、顔を動かし、目を合わせられた。
「っ‼︎」
「…お前も俺の事が好きだろう?」
「ー‼︎」
ローはニヤリ、と不敵な笑みをうかべながら言った。
「あ、う……えっと…」
思わず顔を背けようとするが、頬に手をあてられっ放しなので、顔を背けられなかった。
「どーなんだよ。お前の気持ち聞かせろ…」
ドクン、と心臓が一層高鳴った。
「…わ、私は……」
「……。」
(は、恥ずかし過ぎて、声に出ない…‼︎)
「…待ちきれねェ。俺の事が好きなら、受け入れろ…嫌ならはじき飛ばせ。」
「⁉︎」
ローの顔が近づいてくる。
(私はー……)
真鈴は目をつむった。
ローが一気に間合いを狭め、唇が重なり合った。
…名残り惜しそうに唇を離す。
「……肯定だと、受け止めていいんだな?」
「…っ」
「うわっ」
真鈴はローに勢いよく抱きついた。
そのせいで、ローは後ろに倒れてしまった。