第15章 ヨゾラ島
…食べ終わった後。
2人は再び歩き始めていた。
…2人共さっきの熱が冷めないままだったが。
「あ。アレ可愛い…」
真鈴がポツリと言葉をこぼした。
「どれが?」
すかさず言葉を拾うロー。
「…あの人形か?」
「え、よく分かったね…。そうだよ」
ローが指差した先に、中くらいの大きさの白いクマの人形が棚の上に置いてあった。
…まるでちょこん、とベポが座っているようだ。
「射的…の景品か。…やるか?」
「うん、やりたい‼︎」
「…ほら、金。俺は後ろの方で見てる。」
「ありがと‼︎ …おじさん、一回やらして下さい‼︎」
「らっしゃーい‼︎ 一回50ベリーだよ‼︎」
「はい‼︎」
店主にお金を払う。
「毎度‼︎ …じゃあこの鉄砲を使いな。6発撃つことができる。あ、あと、それ2連射式だから‼︎ そんで、向こうの景品を後ろに倒したら、その景品はお嬢ちゃんのモノだ‼︎ サァ、頑張りな‼︎」
真鈴はさっきの人形に狙いをつける。
…が、狙いをつけていた別の人に、先に撃ち込まれた。
(あ…)
「あぁーっ‼︎ 糞ぉ…」
人形は落ちなかった。
「あーあ、もう弾切れだぁ…」
「残念だったねー、じゃまたなー‼︎」
鉄砲を回収し、その客は人ごみの中に消えていった。
真鈴は再び集中し、狙いを定める。
…パンパン‼︎
店主「おおっ⁉︎」
「…。」
人形は大きく揺れー…
ゴトン‼︎
「やったぁ‼︎」
後ろに落ちた。
「おおーすごいなお嬢ちゃん‼︎ 今まで何十人もそれ狙っていたが、落とした奴はいなかったぜ? …残り4発も頑張れよ‼︎」
(マジかよ…)
ローは真鈴の銃捌きに驚いた。
そして、残りの4発で一気にお菓子を撃ち落とした。
「お嬢ちゃんすごいな…拳銃を扱う仕事でもしてるのかぁ?」
「ううん。特に何も。得意なだけ‼︎」
店主から景品を渡される。
「ありがとう‼︎」
「毎度ー‼︎」
真鈴は店から離れ、ローの元に行く。
「ロー‼︎ 見て、取れた♪」
「良かったじゃねェか。…というか、お前、射撃能力…」
「あぁ、それはね…えっと、練習したから‼︎」
「練習⁉︎」
(向こうの世界では、銃を持つことでさえ法律違反だと、本に書いてあったが⁉︎)