第15章 ヨゾラ島
船を降り、しばらく歩くと、大通りに出た。
人通りも一気に増えた。
「人いっぱい……あっ‼︎」
「どうした?」
「向こうっ側…‼︎」
「?」
ローは真鈴が指差した方向を見た。
様々な屋台が立ち並んでいた。
「祭り…を、やってんのか。」
…すると直後、屋台や周りの電球に灯りがつき、笛の音色や太鼓のずっしりとした音が鳴り響き始めた。
「‼︎ 今始まったんだ‼︎」
「そうみたいだな。」
ローは興味なさげに他を見ている。
「…ねェ、買い出し終わった後、少し寄らない?」
真鈴が上目遣いに、ローの服の袖を軽く引っ張りながら言った。
「っ‼︎」
真鈴の甘えているような目に、ローは引き込まれた。
(祭りなんか興味なかったが…コイツが行きたいなら、いいか。他奴も多分行きたがるだろうしな…)
幸い、ログも溜まるまで1日かかる。
「…あぁ。荷物置いてきてから、寄ってみるか?」
「うん‼︎ やった、ありがとう、ロー‼︎」
真鈴は今までローが見てきた中で一番の笑顔を魅せた。
「ーっ‼︎」
ローの心臓の鼓動が速くなった。
オマケに、何やら甘ったるい感情が芽生えた。
「早く、買い出し済ませて行こっ‼︎」
「あ、あぁ…って、おい⁉︎」
真鈴はローの服の袖を掴んだまま引っ張り、祭りが行われている方と逆の方向にある、商店街目指して走り出した。
…買い出し後。
2人は一旦船に戻り、買い出しから戻ってきた船員達に祭りの話をした。
ペンギン「え‼︎ 祭りやっているんすか⁉︎」
「あぁ。…時間決めて、別れて行こうと思っているのだが? 舟番は数人残らねェと駄目だしな。」
船員(2)「船長はずっと行ってていいですよ? 舟番は俺達で回しますから。」
「いや、いい。…ずっと行ってたら疲れる。」
船員(2)「そうですか…。じゃあ俺最初、番します。」
船員(1)「あ、俺も。」
船員(1&2)とペンギンが最初、舟番をすることになった。
ロー達(ロー、真鈴、ベポ)は1時間後に舟番をすることにした。
『行ってきまーす‼︎』
船員(2)「行ってらー(棒読み)」
ハートの海賊団一行はいくつかグループに別れ、祭りへ参加しに行くのだった。