第13章 海賊生活、その1
「…ベポ、頼むっ‼︎」
「アイアイー‼︎」
どこからかベポが飛び出してきた。
そして、ベポに耳打ちして、部屋の扉を閉め、ローが部屋から出ていった。
「痛た…投げ入れなくてもいいじゃないの…」
「真鈴さん‼︎」
「わ、ベポ⁉︎ いつの間に⁉︎」
「ココに隠れといて下さい‼︎ しばらく‼︎」
ベポが指差した場所は、壁の隠し倉庫だった。
「こんな所に倉」
「もう話さないで下さい‼︎」
「⁉︎」
「早く入って‼︎」
ベポに言われるがままに、隠し部屋に入った。
…暗い。
ほぼ真っ暗だ。
「ひ…っ」
ゾワリ、と背筋が寒くなった。
途端、身体が震え始める。
「キャプテンがいいって言うまで、出て来ないで下さいね‼︎ では、僕はココで‼︎」
「えっ、ちょっ、嫌…一人にしな」
言い終わらない内に、ベポは隠し扉をガッチリと閉めた。
…そして、外から鍵をかけられた。
外の光も入ってこなくなり、周りは真っ暗だ。
「一人にしないで…こんな所で…っ‼︎」
一面真っ暗で何も見えない。
(やだやだ…怖い…‼︎ 早く出して…‼︎)
真鈴は膝を抱えて丸くなり、震え始めた。
…その頃、ローは。
「ち…やっぱりこっち来るか…‼︎」
…謎の飛行人物がいる方向を見つめていた。
それはどんどんこちらに近付いてくる。
「…“ジョーカー”……‼︎」
ピンク色の羽織をまとい、サングラスをかけた高身長の男。
その男は王下七武海の一人であり、本当の名を、“ドンキホーテ・ドフラミンゴ”、と言う。
“ジョーカー”とは、闇の仲買人での名前である。
…ドフラミンゴが船の縁に 着地した。
「……何故お前がココにいる…‼︎」
「何故って…たまたま通りがかっただけだが?」
ドフラミンゴが、ニィ、と口角を上げ、ローの顔を覗き込みながら言った。
「別件で移動途中にテメェの船を見かけたもんでな、寄ってみたまでだ」
「……。」
(…あいつのことに気がついて、ココに来たワケじゃねェのか…?)
ローは現在、この男の下に一応ついている。
詳しくは言わないが。
(…アイツが目当てで来た可能性の方が高い…こいつが外にいるのはよっぽどのことだ…っ)
表情に出さないように考え始める。
「なァ、おい、ロー……テメェ、何か…俺に隠してねェだろうなァ?」
「‼︎」