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[ONE PIECE] 癒し恋 〜ローver〜

第12章 清者の過去


「…っ」

(どうすれば…‼︎)

「アレ…もう使っちまいますよォ〜…?」
「あァ。」
「よ〜いしょっとォ」

黄猿が何か、真鈴の方へぶん投げた。

「っ⁉︎」

壁に当たってから、カランコロン、と音をたてて筒状のものが転がった。
…刹那、筒状のものから真っ黒な霧が噴き出した。
周りが氷の壁だったので、あっという間に周りが漆黒の闇に染まった。

「な…‼︎ 何これ…っ⁉︎」

(暗い、怖い…何も見えない…‼︎)

…突然、目眩がし、フラリとよろけた。

「⁉︎」

(ち…力が、だんだん抜けて…)

どうやら、この真っ黒な霧は体力を奪うようだ。
…足元がおぼつかなくなってきた。

「…‼︎」

誰かに肩を掴まれた。

「いや…っ」

だが、今はその手を振りほどくような力も残っていない。

「しばらく黙っておいてねェ〜…っと」
「うぐっ…‼︎」

首筋にチクリ、と痛みが走った途端、真鈴の意識は消えた。

「はい、青雉君。コレ運ぶのは君の役目だよォ〜」
「…ったく…めんどくせェな…って、うわ⁉︎」

そのまま黄猿にもたれかかってくる真鈴を青雉に向けて投げた。

「おい黄猿貴様…もし‘‘清者”が怪我したらどうするつもりじゃあ…‼︎」
「oh〜考えてなかったねェ〜…。でも、大丈夫でしょう」
「…おい、戻るぞ。人が来る。」

青雉は真鈴の身体を抱き上げた。

「…へェ〜結構可愛い子じゃん」

青雉はボソリ、と呟いたが、赤犬に聞かれていた。

「そんなことはどうでもいいじゃろうが…そいつは、ワシらの世界で海軍の為に働けばいいもんじゃ…それ以外の何もねェ…」
「なっ……」
「何百年に一人の逸材じゃ…海賊の為にこの能力をやるわけにはいかん。」

(使えるものは使う…ただそれだけのものじゃ…)

「……。」

(だからって、海軍の為にこき使うのもねェ…)

青雉は真鈴の顔を見てふと、思った。

「ココの政府には確認済みですっけ〜?」
「あァ。話は通っちょる。…話だけはな」
「ほォ〜…この話に賛成しているわけではねェのですねェ〜…?」
「…戻るぞ、ワシらの世界に」
「了解」
「…あァ」

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