第2章 ‘‘清者”
「‼︎」
(‘‘清者”…‼︎)
「ま、マジかよ…あいつが⁉︎」
海兵達がある方向に向いた。
ローもそちらを見た。
ざわつく海兵達の目の前には、女がいた。
真っ白なワンピースを着ている。
その女の前には、海兵が1人仰向けに倒れていた。
お腹の中心から血が溢れている。
女が海兵のそばにしゃがみ込み、傷口に手をあてた。
するとー…
(…‼︎)
みるみる傷が塞がっていった。
出血も殆どなく、10分経った時には既に、傷が消えていた。
その数分後、海兵達の歓声が響き渡った。
ローからはよく見えないが、どうやら先程倒れていた海兵が起き上がったようだ。
「お前ェェェ‼︎ 良かったぁぁぁ‼︎ あんだけ奴らにやられたのによぉぉぉぉ‼︎」
1人の海兵が、叫びながら復活した海兵に抱きついた。
「…⁇ えーと、あ…? あ、そうか。そーだった。」
「てか、それより‼︎ この女が助けてくれたんだぜ? 礼ぐらい言えよ‼︎」
「え⁉︎ あ…あの、ありがとうございました…‼︎」
「大丈…夫なら、良…かった…」
女の声はとても小さく、こちらまで聞こえてこない。
(あいつ…まさか、あの…‼︎)
ローがそう思ったその時。
「うお⁉︎ おいっ⁉︎ 大丈夫か⁉︎」
(⁉︎)
海兵達の前で、女は倒れた。
真っ白なワンピースが、先程の海兵の血に染まっていった。