第1章 イメージチェンジ【岸辺露伴】
「あぁ、君は綺麗さ。今だけじゃあない、最初からずっとは綺麗だ」
「え、あの……露伴先生……?」
「金髪の頃も、黒髪の今も、全部素敵だと言っているんだ。あの時愚直にも好みなんて言ってしまったが、実際のところボクは、君であるなら何だっていいんだ……ボクの隣で笑ってくれさえすれば、それで。」
さっきまでポカンとしていた彼女もようやく意味を理解したらしく、「え、露伴せん、せ……それって、私の勘違いではなければ、それはつまり」と、口をパクパクさせて声にならない声を発していた。
なんだ、そんな表情もできるんじゃあないか。
「あぁ、ボクは君のことが好きだ。もちろん異性として。腹立たしいことだが、君が来なくなってようやく自分の気持ちに気づいたよ。なァ、だから改めて言うぜ。ボクと、付き合ってくれないか?」
体温が上昇していくのが分かる。こんな場面をクソッタレ仗助やアホの億泰に見られたら、床に転げ回って笑われるだろうな。
こんな、少し会わなかっただけで漠然とした不安が襲ってくるような、陰鬱とした気持ちがベールのようにまとわりついてくる感覚が恋だっていうんなら、ボクはもう二度とゴメンだ。このたった一度きりで終わらせたい。