第1章 イメージチェンジ【岸辺露伴】
「私でいいんですか……?」
「おいおい、何を今さら謙虚になってるんだよ。服装だけじゃあなくて中身まで淑女になったのかァ?」
「っ〜〜〜〜!!ろはん、大好き!!」
なんの躊躇いもなく腕の中に飛び込んできた彼女を、しっかりと受け止める。そして思うのだ。もう離してやれそうにないな、と。
「ろはん、ちゅーして?」
「調子に乗るんじゃあないぞ。ちゅーは二十歳になるまでお預けだ」
「えー!!ろはんの意地悪!!」
「フンッなんとでも言え」
暫しの沈黙の後、ゆっくりと視線が絡み合い、そしてどちらからともなく笑い合う。腕の中にいる彼女を見て、果たして彼女が二十歳になるまでボクは我慢できるだろうかと、思いを巡らせるのだった。