第1章 イメージチェンジ【岸辺露伴】
誰だ?今日は打ち合わせも入っていなかった筈だ。全く身に覚えのない来客を不審に思ったが、次に聞こえてきた声でそれは杞憂に終わる。
「ろはーん!私です!です!」
その声が聞こえた瞬間、気づいた時にはボクは部屋を飛び出し、階段を駆け下りていた。身体が勝手に動いたと言ってもいい。
おい、しばらくぶりだなァ?急に来なくなるだなんて、何かあったんじゃあないかと思うだろ。ボクは君の連絡先も住所も知らないんだ、君がここに来てくれなかったらそれで終わる関係なんだぜ。自分からこの岸辺露伴と関わりを持っておいて、今更離れられると思っているのか?この前の素っ気ない返事を気にしているなら、それは悪かったな。君と過ごす時間は、嫌いじゃあない……いや、この際だから言うが大好きだ。あの金髪を揺らして笑うを想像しながら、ボクは決壊したダムから水が溢れるように、彼女に対して思っていたであろう本音が脳内を駆け巡った。
そうして扉を開けて開口一番にこう言ってやるのだ、『フン、ボクが恋しくなったのかぁ?』と。
___そう、思っていた筈なんだがな。