第1章 イメージチェンジ【岸辺露伴】
以前ボクがスカートの丈を『人のファッションにとやかく言うってのは野暮かもしれないが……君、少し短すぎないか?』と指摘したことがある。
すると彼女は心底訳が分からないという風にきょとんと首を傾げ『誰に見られる訳でもないので大丈夫ですよ〜露伴せんせったら心配性ですねぇ?誰も私の足なんて興味無いですって!』と言うのだ。それも、隙だらけの笑顔で。そう、彼女は何も分かっていない。
さすがのボクもこれには呆れ返り、それと同時に彼女を守りたいと___この岸辺露伴が、庇護欲を掻き立てられたのだ。
それだけじゃあない。放課後はボクが独占しているが、彼女が学校の男子共の目に一日中晒されていることが、酷く腹立たしかった。
腹立たしい……?
何故、腹立たしいと思うのか。生憎ボクは鈍感ではない。この感情の名を、ボクはよく知っている。経験こそ無かったが、その感情に振り回されている男女___康一くんとプッツン由花子を、ついこの前だってカフェ・ドゥ・マゴで見たのだから______
"ピンポーン"
そこまで考えたところで思考が途切れたのは、部屋中に鳴り響いた来客を知らせるチャイムのせいだった。
そして話は冒頭に戻る。