第6章 共食い
「んがっ…カー…」
「…」
今度こそ本当に眠っちゃったみたい。
疲れてたのに、無理したから。達した直後くらいに、もう。全身くったり覆いかぶさってきて。だんだん、重くなってきて。そしたら、わりとすぐ寝息が聞こえてきた(笑)。
「…全部、置いてくからね…」
この体以外のすべて
あなたに
愛しい、あなたに
だけど
私だって欲しいよ?
ね
いいよね…?
完全に意識を手放してる無防備な唇
そしてこのしなやかで優しい指も
今度こそ…
二番煎じかな。翔ちゃんの真似っこ?
でもいい。全然。
ただ、私も欲しい。
あなたに
いつまでも釣り上げてほしいから
いつも求めてる、愛しいあなたを
そのすべてを
私も
『ぱくり』
頂戴します。
2021/6/5