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【S】ぱくり(気象系)

第6章 共食い




ねえ、翔ちゃん

そばに居なくても
たとえ、どこにいても

私は翔ちゃんのこと、想ってるよ

だから

翔ちゃんがそばにおいてくれるなら
求めてくれるんなら

いつも、あるんだよ?

私の全部
それこそ、体以外は

いつも
いつだって

あなたのそばに



「んぁっ…ひなた…っ」
「は…ぅ…ん…っ」

結局釣り上げられてるのは、私の方だ。

その屈強な竿で

そのしなやかな網で

優しくて暖かい光を宿すまなざしに魅せられ

時折甘い、ハスキーな声に誘われて

気がゆるんで引き寄せられたら最後

電撃に打たれたように
カラダがしびれて動けなくなる

暴れることすらできない
逃げ出すことなんてできない

ううん

そんなことしない

だって

この広い広い海の中で
私がたったひとつだけ

居たい場所
求める場所

それが

「しょお、ちゃん…」
「…っ…」
「は…あっ…翔、ちゃ…っ」
「…くっそ。マジで帰したくねぇ…っ!」


強い強い腕に抱かれて
これでもかってくらいの鼓動を打ち込まれ
それでも


最中に漏らしたその一言が

一番、私を強く捉えて締め付ける。

この場所に、優しく留まらせてくれる…。




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