第6章 共食い
一枚一枚
層みたいな殻を剝がされるたび
距離が、近くなっていく。
不思議。
素肌がさらされるほど、熱く、なっていくなんて…。
下着だけになったところで、手が止まった。
「…やべー、もう我慢できねぇ」
「…え?」
「このまま、ここで…いい?」
「…」
衝動的に戯れていたのは、リビングのソファー。パイ食べて、そのまま録画見ながら談笑してたから。
…そういえば、ベッド以外ではしたことないな。
「ダメっつってもするけどね」
「フフッ…。じゃー聞かないでよ!(笑)」
「礼儀、一応礼儀っ」
「別に~、私のソファーじゃないから?汚れたって構わないしぃ~」
「うっ」
「私はいいよ。お好きにどぉぞ」
「…」
「?」
「煽んなよ」
「っ」
初めてのベッド以外の場所
電気も消さずに
シャワーも浴びずに
イレギュラーが重なりすぎて、きっと二人ともいろんなものがぶっ飛んでた。
時折、香ばしいパイと甘酸っぱいチェリーが香る。
…熱い。
食べられて、その体の中で熱されて、溶けていくみたいな
初めての感覚…。