第5章 返り討ち
こっちも諸々の事情はもちろんわかってるんだけど…もうないかもってくらい上手にできちゃったから。翔ちゃんにとっては危険物とわかっていつつ、食べてほしい欲が勝ってしまった。
でも、会うのも久々だったし。当然会話も弾んで。楽しくて。時間遅いのも忘れて、食べながら話こんじゃって。
だけど時間は容赦なく過ぎていく。盛り上がった分、切なさも大きくなっていく。
私は朝が割と早い仕事。寝不足のままこなせる自信もないから、いつも万全で臨んでる。そのための帰宅時間のボーダーとかは、翔ちゃんももちろんわかってくれてる。仕事に対しては私より全然プロだから。
だから
もうそろそろ限界。自分で決めてるリミットだけど…帰らないと。
もちろんまだ居たい。
帰りたくない。
でも
もうダメ。帰らなきゃ…。