第7章 再び
この特徴的な笑い声は…
「ガジル!」
「…評議員やってるってのはマジだったのか。」
「クレア、お前は評議員を欺こうとした罪で逮捕だ!雷兄さんは、ガラが悪い罪で逮捕!」
ビシッと指を突き付けられて宣言される。得意げな顔がまるで凶悪犯が良い獲物を見つけた時の顔みたいだ。
「…目つき悪。」
「うっせぇぞ、クレア‼本気で逮捕されてぇのか!」
「俺らに何の用だよ。」
「ガジル!!また先に行っちゃって!」
「レビィ!」
「久しぶり!クレア、ラクサス。」
「二人そろってどうしたの?」
「ギヒッ。妖精の尻尾復活だ!!」
「「…!?」」
妖精の尻尾が―。
あの日から1年。無意識の内に鎖骨の上にある天馬のギルドマークを押さえる。いつか必ずまた集まれると思って生きてきたけど、やはり不安で押し潰されそうになったことはあった。どんなにこの日を待ち望んでいたことか。私がよほど泣きそうな顔をしていたのだろう、頭に大きくて暖かい感触が伝わった。
「泣くとこじゃねぇだろ。」
「…うん!」
彼の顔を見上げて頷く。ああ、彼もこれ以上なく嬉しそうだ。こんなに素直に嬉しさをあらわにする彼を見るのは久々な気がする。
「おい、俺らが居ること忘れてねぇだろうな。」
「ガジル、邪魔しちゃだめ。」
知らない間に二人で微笑み合う形になっていたようで、気まずい。
「ら、雷神衆のみんなは?」
「これから青い天馬によるとこだ。」
「そう!前にやってた潜入調査の近くでラクサスたちが仕事をしてるって聞いたから、さきに寄ってみたの!」
「ギルドまでどうやって戻るか知ってんのか。」
「ギヒ、俺らは電車には乗らねぇさ。こいつらが居る。」
ガジルが示す先には4頭の馬とリリーがいた。リリーに向かって手を振りながら考える。滅竜魔導士は乗り物でも生物なら平気らしい、なんとも不思議なことに。乗り物の定義って何なんだろう。
「クレアはモンスターがいるけど、馬に乗る?」
「そうね、あまり彼らに負担はかけたくないし、たまには馬もいいかも。」
「じゃあ、青い天馬に出発ね!!」