第4章 平穏?
もう一度彼らとこんな風に笑い合えるようになる日が来るなんて。
でも、ラクサスとの関係があやふやになっていることは確かだ。彼の気持ちがまだ私にあるとは思えない。城での舞踏会のことはルーシィから聞いている。ミラと踊っていたことを。心が痛まなかったわけじゃないけれど、私に彼を縛る権利はない。だってミラはあんなにも綺麗で強くて、何より全てを包み込んでくれる優しさがある。私より断然お似合いだ。
ラクサスは責任感の強い人だ。私からきっぱり別れを切り出さないと。いつまでも気を使わせてしまう。次の仕事が終わったら言おう。
「じゃ、私は仕事に行ってくるから。」
「ちょっと!逃げる気!?」
「ばいば~い。」
こういう時は素早く逃げるに限る。私はクエストボードに向かい仕事を物色し始めた。因みに実力が認められてS級の仕事を受けさせてもらえることになった。私は迷わず火山地帯に現れた魔物の討伐依頼の紙を取った。報酬は300万J。受理してもらおうとカウンターへ向かう。
「お願いします。」
「お一人でよろしいですか?」
「は「二人だ。」」