第4章 平穏?
冥府の門との交戦から約2か月。私が戻って来たにもかかわらず妖精の尻尾は解散した。マスターの宣言を聞いた瞬間は心が痛かった。再び手に入れた家族を喪うことになるのか、と。
でも今は、前を向いて歩き始めた皆に救われて青い天馬に所属させてもらっている。ラクサスや雷神衆のみんなも。多分、妖精の尻尾が再び集結するだろうと確信しているのは私だけではない。
ここからは私たちが青い天馬で過ごした日々のこと。
「ねぇ、クレア。貴方とラクサスの関係ってどうなってるのよ?」
「ゴフッ。ケホッ!なに?」
飲んでいた紅茶が気管に入った。私の動揺を読み取ってかすかにエバの眼鏡が光った気がした。
「だから、貴方とラクサスよ。」
「ど、どうもこうも、同じギルドの仲間じゃない。」
これはダメだ。全然平然を保てていない。彼らとともに生活をするようになってからというもの、感情を抑えることが以前よりできなくなっているようだ。
「嘘おっしゃい。あの一件以来あなた達まともに会話してないじゃない。別れたことになってるの?」
「はぁ。私にもわからないわ。私が彼をおいて勝手に出ていったんだもの。自然消滅ってやつじゃないの?」
「はっきりさせないと。ラクサスのためにも、貴方のためにも、ね。」
「私のことはいいわ。貴方こそエルフマンと連絡は取ってないの?」
ニヤニヤしながら聞く。持つべきものは情報をたくさん持っている友だ。絶世の美貌と恐ろしいまでの魔力を持った白髪の友人を思い浮かべる。
「なっ!どこでそれを。って言うかあいつのことなんて何とも思ってないわ!」
「できてるんだなぁ、これが。クレア、こいつとエルフマンの馴れ初め聞きてぇか?あれはファンタジアの…」
「ビックスロー!アンタどこから出てきたのよ!やめなさいそれ!」
「フフッ」