第1章 感は鈍いが運はいい【沙明】【裏】
話しに話し合って、結局オネンネさせられたのはしげみちだった。まァご愁傷さまっつーことで。
会議後。
俺はいつものように娯楽室へ足を運んだ。
ここは俺にとっちゃ楽園だぜ。なんつーか、雰囲気が落ち着く。まあそれは建前で。
ホントは、
「沙明が凍らされなくてよかった」
コイツがいるから。
俺は娯楽室が居場所になっているが、この船に乗り込んでからとはすぐに打ち解けて、一緒にココで過ごすようになった。年齢も近いしな。
コイツはセツと一緒にいることもあるが、気づくと俺の隣にいる。なんでも俺のそばにいると落ち着くらしい。
ハッ、可愛いヤツめ。そんなんだから、俺みたいなビーストに目ェつけられんだぜ?
「俺がヘルプ頼んで、お前が俺を信じてくれたんだろ?お前が守ってくれたからだっての」
「…うん。ありがと」
そう言ってはこちらに微笑みかけた。
ま、借りは返すってワケでもねーけど、コイツが疑われたら俺が庇ってやりますかね。
「このままじっとしてんのもなんだし、トランプでもやろうか」
断る理由もねーし、の提案にのっかった。
そのあとはジョナス、コメット、シピも加わって、5人でポーカーだったりダウトだったりイロイロとやった。
コメットはダウトで嘘をついてもすぐシピにバレていた。
嘘下手なんだったら言わなけりゃいいのにな。まあ、それじゃゲームが成り立たねーんだけど。
ジョナスはほとんどポーカーで一人勝ち。アイツ…1回だけロイヤルストレートフラッシュ出しやがったしよ…イカサマしてんじゃねーのかってくらい強かった。