第5章 competition
「んなことよりあの人は、どー見てもレオナのこと狙ってるね。」
「…そんなの、ほとんどの客がそうだよ」
「んーそうじゃなくて、なんかあの人に関してはちょっと他と違う感じがする」
「どういうこと?」
「…まるで全てをレオナに賭けてるみたいな感じ…かな…かなり狂気じみてる感じ。一見めちゃめちゃ善人て感じだけどね。大人の色気もあるし女はコロッとイッちゃいそうだけど。…だから気をつけた方がいいかもよ。」
きちんとした真剣な分析とアドバイスに、
さすが龍ちゃんだと思った。
「そうかもね、ありがとう」
「ホテルでなんかされなかった?」
「…まだされてない。」
「多分…あのタイプに体は渡さない方がいいかも」
「私も何となくわかってるよ…」
「フッ…だよね。さすがレオナ嬢。」
龍ちゃんは笑いながら煙草の煙を吐き灰皿にもみ消した。